もともと英会話学習をしていた生徒さんが、会社からの指示のためTOEIC学習で目標点数を超える必要に迫られました。英会話学習をしていた生徒さんなので、会社からの指示にしぶしぶ従ってTOEIC学習を始めたのです。
ところが、この生徒さんは目標点数に到達し、大きく英会話学習や英語学習に対する考え方が変わりました。『理屈を理解しなければ英会話も上達しない』と考えるようになったのです。
それまでは、理屈を理解することなしに、なんとなく英語を話していたのです。私はこの状態を『 3歳児英会話学習』と呼んでいました。世間でよくあるような、子供が外国人講師の話す生の英語に触れながら、英会話を上達させていくというやり方です。
先程の生徒さんは、このやり方で英会話は上達すると思っていたのだそうです。
私がどんなに『大人はそのやり方で英語で学習してもまず英語を話せるようにはなりませんよ。話せるようになりたければ、ゆっくりでも良いから英文法の学習をしっかりやらなければだめですよ。英語の4技能をバランスよく向上させないと』と口を酸っぱくしていても、なかなかピンと来ていなかったのです。
それからTOEIC学習を本格的にやるようになり、たくさん問題集を解くということを継続したのですが、体系的に文法的な知識を構築し、さらに英語がスラスラ読めるようにならないとスコアアップができないということがわかりました。
考え方が大きく変わり、英語がスラスラ読めるようになり、英語の聞き取りもできるようになり、文法的に力もつきました。そして目標点数に到達しました。
これから再び英会話学習に戻るのですが、以前毛嫌いしていた内容を〝今度はしっかりやりたい〟とおっしゃいます。その毛嫌いしていた内容とは『簡単な文章を瞬時に英語にする訓練』などのことです。
TOEIC学習を通じて英語の文章の組み立てをきちんとやるには、英文法の知識が必要だということが実感できたのです。
英会話を上達させたければ、もちろん英語で話をする練習をしなければなりません。ですが、それと同時に私が思うのは、自分の持っている力以上に絶対に英語は話せないということです。自分が英単語でしか会話ができないのであれば、それにはきちんと理由があります。たくさん英語を聞いていても、聞き取りができるようにならないのにも理由があります。
英会話学習をしている人の中で、今よりもさらなる英語を獲得したい方は、一度TOEICや英検のような英語資格に挑戦してみると、自分が英語の4技能の中で不足していることが見えたり、新たな課題が見つかります。
英語の資格試験をそのような形で使ってみると良いかもしれません。